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真珠のひどい汚れの落とし方「水洗いしても大丈夫?」

直接肌に身に着ける機会の多いパールネックレスのお手入れ
真珠のひどい汚れの落とし方「水洗いしても大丈夫?」

パールネックレスはあこや真珠をはじめ、黒蝶真珠、白蝶真珠、淡水真珠などあらゆるパールジュエリーで作られている最もスタンダードなアイテムです。

特にフォーマル用として日本で多くの女性がお求めになるあこや真珠のネックレスは式典の場で身に着ける機会も多く、季節によっては汗をかいた日に身に着ける事もあると思います。今回はそんなパールネックレスのお手入れについて真珠スペシャリスト嶋直樹がご紹介します。

基本は柔らかい布でからぶきすること

まず、パールネックレスのお手入れの基本中の基本は柔らかい布でからぶきすることです。布の種類はなんでも良いのですが、出来ればパール専用クロス、ジュエリーやメガネ用クロスがおススメです。

セーム皮というのも時々見かけますが綺麗なクロスであることが大事なので個人的には洗濯してあるクリーンなクロスの方が洗いにくい皮よりもお客様にとっては向いていると思います。

またどうしてもそれらが無い場合は、拭かないよりは拭いた方が良いのでハンカチやガーゼ、タオル等身近な柔らかい布でも良いので拭いてください。

ただし、これも綺麗な状態であることが基本なので、例えば弔辞の際沢山涙がしみ込んだハンカチで拭くのはおやめください。

「クリーン」と「やわらかい」をセットにしてお考え頂ければ心配はありません。

ティッシュペーパーも身近にあるのでついつい拭くために使ってしまいがちですが、品質によっては細かなキズを付けてしまう事もあるのでこれもあまりオススメ出来ません。

ティッシュは「クリーン」で「やわらかい」のにと思われると思いますが、風邪をひいた時に何度もティッシュで鼻をかむと、鼻や鼻の下が赤くなるのをご想像頂くとお分かりになると思いますが強い力でキュッキュッと拭くと同じように細かなキズが付きます。鼻のしたの擦り傷はそのうち治りますが、真珠は一度小傷が付くと自然には治りません。

また時々、ジュエリーをティッシュで拭いたあと、とりあえずくるんでしまったばかりに、うっかり捨ててしまったという悲しいお話をお聞きすることがあります。

これは、真珠に限らず貴金属でも同じことですのでお気を付けください。

まさかと思われるかもしれませんが、ご自身もまさかそんな風にしてしまうとは思っていないにもかかわらず、そのまさかが起こります。

そうならないためにも、絶対にジュエリーのお手入れや保管にティッシュは使わないという事をお守り下さい。

汚れがひどい時は濡れ拭きがおススメ

次に、汚れがひどい時のお話をご紹介します。

毎回、きちんと拭いているとそれ程汚れる事はありません。でも、とても暑い日やうっかりそれを放置してしまってふと気が付く場合もあります。そんな時は濡れ拭きがおススメです。

短い時間なら水洗いも大丈夫と紹介されている事もありますが、余程汚れているならともかく、普通に使用しての汚れであればあえてリスクを侵してまで水洗いする必要なないように思います。

確かに、取れにくい油分などが水洗いによってある程度取れやすいというメリットはあります。でも、珠と珠の間に入り込んだ水分や真珠を組む糸が水分を吸い込んでしまっていると完全に乾くには時間がかかります。

真珠は水の中で育つ貝の中から採れるから、水は大丈夫と思われる事もありますがそれは違います。真珠は貝殻の中の、身の中、更に真珠層を作る真珠袋の中にある状態なのでむき出しで水の中に浮かんでいるのではないのです。

繊細な真珠層は加湿や乾燥によって真珠層が膨張したり収縮したりすると言われています。それだけなら良いのですがその際に真珠の輝きが損なわれる可能性があり、それを考慮すると出来れば水洗いなどは避けること、どうしても汗や油分が気になる際にはタオルなどで濡れ拭きをして、その後乾いた柔らかいクロスで拭くというダブルクリーニングを行って下さい。


もし、何年も放置していて汚れがこびりついているような時や、香水やヘアスプレーなどが掛かってしまった時は、やむを得ず水洗いしても大丈夫です。

但し、その場合も付け置きなどはせず流水で気になる汚れを重点的に落としたあと、しっかりとから拭きして、その後も柔らかい布などの上で数時間置き完全に乾くのを待ってください。

出来ればその後、専門店で相談し一度珠をはずし乾燥、クリーニングそして、組みなおしまでプロのメンテナンスをお受けになることをオススメします。

勿論、乾かないからといって、ドライヤーなど熱を加えるような乾燥の仕方や強い直射日光に数日間さらすなどは絶対にN.G.ですのでお気を付けください。

真珠はデリケートな宝石として、日常使いをためらったり、お手入れに悩まれる事もありますが着用前後に「クリーン」で「やわらかい」クロスで拭くという事さえ守っていれば、それほどダメージを受けることはありません。ジェイシーバールでお求め頂いたパールネックレスはメンテナンスチェックを無償で致しますのでお気軽にご相談ください。

写真/文・嶋 直樹
(一社)日本真珠振興会 認定 スペシャリスト
(一社)日本ジュエリー協会1級 ジュエリーコーディネータ―

真珠スペシャリストとは