調色とは、赤色系色素を添加して、アコヤ養殖真珠の色調を極めて軽度に改良すること。
真珠指針2020より
真珠指針2020より
貝から取り出したばかりの養殖あこや真珠のほとんどは、一般的に皆さんがイメージされるような白っぽいものではありません。
ほとんどが、黄色っぽく、中にはグレー、褐色のムラが目立つものが数多く存在します。
その全てが商品に出来るようなレベルではもちろんなく、それらをはじいてもなお、そのままジュエリーに使えるような色はほぼ存在しません。
理由は真珠層の内部に有機質が残っていたりすることが原因です。
これを除去することを漂白(ホワイトニング)と言います。
こうすることで真珠の色は白に近くなります。
この段階でも、一粒一粒は綺麗なのですが、ネックレスなど複数の珠を使ったジュエリーにしようと思ったときにばらつきが出てしまいます。
そこで、沢山の珠を出来るだけ色のバランスを取りやすいようにするために、漂白が行われています。
漂白の文字の通り、余分な色素を取り除くためですが、この際に真珠本来の魅力のひとつである赤色系も損なってしまいます。
それを補うのが調色です。
ひとつひとつの真珠の色を白っぽくする他にも調色は沢山の珠の色のバランスを保つという役割もあります。
漂白し染めることで本来ばらつきがある色をある程度調整するのがもうひとつの役割です。
あこや真珠のネックレスの評価基準に連相というものがあります。
これは一本のネックレスに使われている珠のクオリティや色にばらつきがないかを判断するものです。
もし、調色の技術がなければ世界中で認められている真珠のネックレスの美しさは保てません。
調色は特にパールネックレスを作る際には欠かせない工程であり、真珠加工に携わってきた職人さんたちの技術です。
この段階で、調色をしなかった真珠が無調色真珠となります。
色調に関する加工を何もしなくても美しい無調色真珠は大変価値がありますが、ただ色染めをせずに流通させたなら当然価値のない無調色真珠となります。
ですから、心ある真珠加工業者さんは美しい無調色真珠を確保出来ないと考えた時は全て調色加工をするという判断をするそうです。
無調色とつければ売れやすいと、粗悪な真珠を無調色と銘打って流通しているものもある中、きれいな無調色真珠として出せず、全体のバランスを保てないなら調色を選択するというご決断には胸を打たれました。
色染めしている調色真珠と色染めをしていない無調色真珠はどちらが良い、悪いではありません。
最近、無調色真珠を販売するために無調色は良いもので、調色よりも優れているというような表現をよく見かけます。
本来真珠、特にパールネックレスはそんな単純なものではありません。
テリの悪い、干渉色のない無調色真珠は綺麗ではありませんし、巻きが厚い=綺麗という事でもありません。
本来一粒一粒、ネックレスなら一本一本が個性があり差があるのです。
また調色にも程度があり、漂白後軽い調色を施された調色真珠なら無調色と見分けがつかない程のものも存在します。
高品質な無調色真珠は魅力的ですが、大変貴重な品であるため、サイズや輝きなどが同じであれば、調色真珠の方がお手頃になる可能性が高いです。
無調色と比較すると、ピンクが濃く感じるものが多いので、ピンク色が好きな方や、華やかな印象をイメージしている方は調色を選ぶメリットがあります。
あとは、調色、無調色限らず真珠の命であるテリが良い事、巻き厚がしっかりとあることを考慮しましょう。
色は調色も軽いピンクから濃い目のピンクまで見れば見る程がバリエーションあることをお感じになると思います。
その中で、好みを選んだり、試着して気に入った方をお選びになるのが良いと思います。
今回は調色について、その役割とよくご質問がある調色と無調色どちらが良いのかについてご紹介しました。
調色は真珠業界に伝わる技術であり、それがされている事が悪いわけではありません。
調色にも程度があり、優しいピンクから濃いピンク迄幅があります。
他の美しさの要素を加味した上で好みで選んで全く問題はございません。
上記をご理解の上で、J.C.BARがおススメする高品質な無調色真珠の希少性という価値を感じて頂ければ尚幸いです。
他にも真珠やパールジュエリーに関するご質問がございましたら、当ホームページのお問合せ又は公式LINEからお気軽にお寄せ下さい。